【小学生向け】ビジュアルプログラミングとは?
2023.07.04
ビジュアルプログラミングとは、図形 / イラストを組合わせて、プログラミングをする方法です。
自分でプログラミング言語を書いていく、テキストプログラミングとは異なり、視覚的にわかりやすくプログラムを作ることができます。
文字を使わずにプログラミングできるため、子どもでも学びやすい点が魅力です。
この記事では、子どもにプログラミング学習を始めさせたいと考えている保護者の方に向けて、ビジュアルプログラミングの概要や、おすすめのツール、学習サイトについて、わかりやすく紹介します。
こんな人におすすめ!
✅未就学児~小学生を持つ保護者の方
✅プログラミングをどう学ばせれば良いか、悩んでいる
✅プログラミングの種類を網羅的に知りたい
✅おすすめのプログラミングツール、学習サイトを知りたい
プログラミング学習については、下記の記事でも、紹介してますので、ぜひご覧ください。
プログラミングの記事一覧
ビジュアルプログラミングの種類
ビジュアルプログラミングには、主に下記3つの種類があります。
それぞれの特徴について、紹介します。
ブロック型
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ブロック型は、ブロックを組合わせて、プログラムしていくタイプです。
条件 / 動作が設定されたブロックを組合わせることで、対象を動かすことができ、ブロックの種類 / 順序を変えることで、動きが変化するため、直感的にプログラミングすること可能です。
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物事を順序づける論理的思考は、テキストプログラミングに近い発想力が育てられます。
ブロック型の代表的なツールは、マサチューセッツ工科大学メディアラボが開発した、Scratch(スクラッチ)や、その派生である、ScratchJr(スクラッチジュニア)があります。
【公式サイト】Scratch
【公式サイト】ScratchJr
フロー型
フロー型は、条件 / 動作が設定されたアイコンを線(ライン)で繋ぎ、プログラミングしていくタイプです。
線(ライン)で繋ぎ、フローチャートを作りながら、プログラミングするため、論理構造を視覚的に捉えることが可能です。
フロー型の代表的なツールは、SONYのMESH(メッシュ)があります。
【公式サイト】MESH
オリジナル型
オリジナル型とは、ブロック・フロー型以外の、オリジナル・ルールを持つタイプです。
オリジナル型の代表的なツールは、Viscuit(ビスケット)や、Springin’(スプリンギン)があります。
Viscuitは、イラストを書いた後に、「メガネ」と呼ばれるツールで、そのイラストの動き方を指示することで、思いどおりの動作をさせることができます。
「メガネ」でイラストをドラッグするだけで動きをつけられ、文字を入力する必要がないので、小さな子どもでもプログラミングを体験できる点が魅力です。
Springin’は、作ったものをみんなで遊び、作品の分析やコミュニケーションの能力を鍛えます。
【公式サイト】Viscuit
【公式サイト】Springin’
ツールまとめ
ツール名 | タイプ | 作成者 | 対象 | 料金 | 特徴 | 公式サイト |
Scratch | ブロック | マサチューセッツ工科大学 | 小中学生 | 無料 | コメント、ディスカッションフォーラムでコミュニケーション能力の育成が可能 | こちら |
ScratchJr | ブロック | タフツ大学と共同開発 | 5〜7歳 | 無料 | Scratchの派生版であり、お絵描きの延長線上から、プログラムを学べる | こちら |
MESH | フロー | SONY | 小中~高校・大学 | 有料(アプリは無料だが、ブロックは有料) | 身近なものと、センサーやスイッチなどの機能を組み合わせてプログラミングし、さまざまなアイデアを形にできる | こちら |
Viscuit | オリジナル | 原田康徳氏がNTTで開発 | 未就学児~小中学生 | 無料 | 絵の動きの仕方を「メガネ」という部品を使ってプログラムを作成、自分が描いたイラストを動かせる | こちら |
Springin’ | オリジナル | 株式会社しくみデザイン開発 | 未就学児~小中学生 | 無料 | 絵や、写真にボタンで条件をつけて、ゲームや絵本を作ることが可能 | こちら |
MOONBlock(ムーンブロック) | ブロック | 秋葉原リサーチセンター | 小中学生 | 無料 | ゲーム制作に特化。作ったプログラムを「JavaScript」のソースコードで見ることが可能 | こちら |
TILES(タイルズ) | フロー | vplTiles.com(日本) | 小中学生 | 無料 | プログラミングの基本を学ぶための、学習テキストが付き、タイルズの命令は、6つだけに限定されている | こちら |
アルゴロジック | オリジナル | 一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA) | 小中学生 | 無料 | スクラッチが、自分で動作を作成するタイプであるのに対し、アルゴロジックは、与えられた課題を解決するタイプ | こちら |
おすすめのツール
ビジュアルプログラミング言語のツールで、最も普及しているのがScratchです。
完全無料で、世界70カ国以上の言語で提供されています。
登録利用者は公式サイトの情報によると、2023年6月現在で、1億人を超えており、人気の高さが伺えます。
Scratchの良さは、主に下記の3点です。
- 使い方が簡単(小学生に最適)
- 機能を組合わせて制作できる
- 成果物を世界に発信できる
それぞれの特徴について、紹介します。
(1)使い方が簡単(小学生に最適)
Scratchで用意されているものは、全てひらがなで説明が書いてあります。
小学生であれば、ひらがなを読めるため、小学生の子どもひとりでも進められます。
また、Scratchはマウスのみで操作ができます。キーボードを打つの難しいですが、マウスやタブレットを動かすのは、すぐに慣れるでしょう。
パソコン以外に、タブレットでもScratchができます。
タブレットの場合も、指でブロックを押さえながら動かすだけで作れることができます。
Scratchは、直感的に作ることもできますが、説明はひらがなで書かれていて、マウスで簡単につくれるため、小学生でプログラミングを始めるには最適なツールです。
(2)機能を組合わせて制作できる
Scratchには、多くの機能があり、絵を動かす以外に、主に下記の機能があります。
- 音声合成(文章読み上げ機能)
- ペン
- 音楽を鳴らす
- マウスの動きに反応
- キーボード操作に反応
これらの機能を組合わせて、アクションやシューティングなどのゲームや、自分で描いたイラストを動かした動画などを作成できます。
自分が想像したものを形にできる機能が揃っています。
(3)成果物を世界に公開できる
Scratchは、自分が作った作品(成果物)を世界へ発信できます。
Scratchコミュニティというサイトがあり、そこに成果物を投稿することで、世界中から閲覧できる状態になります。
Scratchコミュニティでは、他人が作った成果物を遊ぶこともできます。
どうやって作っているのかと気になった場合は、実際に作ったプログラムを見ることも可能です。
得たアイディアを自分の作品に取り入れて、より良い作品を作ることにつなげることができます。
おすすめの学習サイト
プログラミングの学習サイトは多数ありますが、初めての小学生向けには、文部科学省で紹介されている「ナレッジレッスン」がおすすめです。
また、大手事業者では、「Microsoft」や「Google」が学習サイトを公開しています。
Microsoftは、プログラミング学習プラットフォーム「MakeCode」を公開しています。
ブロックを使ったビジュアルコーディングとJavaScriptによるテキストコーディングに対応します。
Googleは、ブロックタイプのビジュアルプログラミングエディター「Blockly」を公開しています。
【公式サイト】MakeCode
【公式サイト】Try Blockly
おすすめの学習教材(本)
Scratchは、直感的に作ることができますが、教材(本)を活用すれば、できることの幅が広がります。
それぞれの特徴について、紹介します。
スクラッチ3.0でゲームを作ろう! 小学1年生からのプログラミング教室
小学校1年生からプログラミングを学ぶのに最適な一冊です。
Scratchに初めて触れる子どもが、一人で遊びながらゲームを作成できる作りになっています。
こどもプログラミング: 超入門 Scratchでつくろう!迷路ゲーム
こちらは、1つの迷路ゲームを作り上げることに特化しています。
1つのゲームに特化しているため、細かく説明が書かれており、1つの作品に集中して取り組むことが可能です。
親が横でサポートすれば、未就学児でも学習でき、1つに集中して取り組みたい人におすすめです。
まとめ
プログラミング学習への関心は高いものの、何を・どう学ばせればよいか、迷っている方が多いのではないでしょうか。
子どもに学習させたいものの、いきなり、習い事 / 通信教材にお金を出すことに、抵抗があるという方。
そういった方に、まずはScratchを使ってみることをおすすめします。
Scratchは直感的に使える上、複数の部品を組合わせて、自分が想像する作品を作ることができます。
小学生であれば、一人で学習ができるScratchは、プログラミングの楽しさを体験できる最適なプログラミング言語です。
プログラミングを学ばせてみたいと思っているのであれば、気軽に触れさせてみてはいかがでしょうか。
プログラミング学習については、下記の記事でも、紹介してますので、ぜひご覧ください。
プログラミングの記事一覧