将来必要なスキル、教育のマインドセットは、これから先、様変わりしていきます。
経済産業省によれば、2050年には、日本の産業バランスは大きく変わり、医療/福祉/教育などの仕事が増加する一方、農業/鉱業/建設業の仕事は減少する見込みです。
(出所:労働政策研究・研修機構「労働力需給の推計労働力需給モデル( 2018 年度版)」、 「職務構造に関する研究 」( 2015 年)、 World Economic Forum “Thefuture of jobs report 2020”, Hasan Bakhshi et al., “The future of skills: Employment in 2030” 、内閣府 「産業界と教育機関の人材の質的・量的需給マッチング状況調査」( 2019 年)、文部科学省 科学技術・学術政策研究所「第 11 回科学技術予測調査 ST Foresight 2019 」等を基に経済産業省が推計。)
定型的な仕事は AIに代替され、AIを駆使し価値を生み出せる人材が求められる時代になっていきます。
これまでの時代は、ルール/手順をしっかり守る人材が求められてきました。
しかし、未来は、果敢に新しいことに挑戦し、社会の仕組みを一から創り直す人材が求められ、そのような人材が世界をリードしていきます。
こちらの記事では、将来必要なスキル、教育のマインドセットについて、わかりやすくご紹介します。
✅未就学児~小中学生を持つ保護者の方
✅未来に必要とされるスキル、仕事を知りたい
✅スキルを子どもに身につけさせるために、教育マインドセットを知りたい
未来の日本はどうなるの?
現在の日本は、「研究開発費の増額」、「少子化対策」、「賃金引上げ」など、未来に向けた様々な策を掲げています。
しかし、日本が過去30年の遅れを取り戻すことは簡単ではありません。
未来の日本が、グローバルで生き残っていくためには、「欧米と中国の架け橋」になる必要があるでしょう。
すなわち、「英語と中国語」を操り、「情報収集する力」、「言うべきことを的確に伝える」スキルが今以上に、求められます。
日本の過去30年の遅れとは?
世界のGDPに占める日本の占率は、「1990年:15% → 2019年:5%」と、大幅に低下しました。
日本の1人当たりGDPも、1990年代以降ほぼ横這いで、30年間、全く、生産性は向上していません。
また、日本の1人あたり実質賃金についても、1991年から2019年にかけて、1.05倍にとどまり、英国1.48倍、米国1.41倍、フランス1.34倍に比べ、かなり低い水準です。
日本企業の人材投資は、2010-2014年に対GDP比で0.1%にとどまり、米国2.08%、フランス1.78%に比べ低く、日本が人材に投資してこなかったことがわかります。
未来の日本の人口は、2015年実績値=100として、2065年には69まで減少する見込みであり、米国129、フランス114に比べ、大幅に低下します。
特に、15-64歳区分の人口は、2015年→2065年で▲41%減少する見込みであり、米国の17%増加などに比べ、大幅に低下します。
将来必要なスキルとは?
これまでの時代は、暗記した項目を増やすことが、人より秀でるカギでした。
そのために、新しい概念を覚える力が重視されてきましたが、その時代は終わります。
これらの「覚える力」はAIに代替されていくためです。
未来には、公式を覚えるよりも、「大局的な理解力」、「自分なりに表現することができる領域」を増やすこと、そのスキルがとても重要になります。
理論を吸収するよりも、むしろ、体験を通じ、自分なりの気づきを促し、気づくスキル、そのものを身につけていくことが大切です。
教育のマインドセットとは?
これからの教育は、異質性を伸ばす方向に大きく転換し、失敗を恐れずに挑戦する習慣を、子どもに身につけさせる必要があります。
日本の教育のあり方については、「リテラシー」、「文理分断からの脱却」、「平等主義からの脱却」など観点で、グローバル水準に、この先、見直されていくでしょう。
それぞれについて、詳しく説明していきます。
リテラシー
これからの時代には、「自分で考える力」、「情報を読み解く力」、「伝える力」、「論理的に思考する力」、「価値を発見する感性」、「好奇心・倫理観」といったスキルを身につける必要があります。
こうしたスキルを、幼児・初等中等教育段階から、身につけることが欠かせません。
また、多くの場面で AIが求められるため、将来の進路にかかわらず、情報科学・数学・統計・生命科学などの基礎的なリテラシーを身につけることも、重要です。
文理分断からの脱却
自らの創造力を発揮することが求められる世界で、文系・理系間の垣根は、本質的に意味がありません。
従来型の文系メインの人材育成モデルではなく、文理にかかわらず、基礎的な情報科学・数学・統計・生命科学などを必修化する必要があります。
文系を専攻する者も、理数の知識を身につけ、理系を専攻する者も、人文・社会科学や芸術・デザインなどの領域を学ぶなど、文理を隔てずリベラルアーツを学ぶ必要があります。
平等主義からの脱却
誰もが、新たな価値創出へ挑戦できる環境を整備するとともに、抜きん出た才能の人材育成も重要となってきます。
エリート主義に対する、日本の否定的な世論や、エリートが育成されにくい風土は課題であり、日本的平等主義から脱却すべきでしょう。
平等を追求すること自体は重要ですが、「結果の平等」ではなく、「機会の平等」を目指すべきでしょう。
リーダーシップ人材
多様性を持った集団の中で、リーダーシップを発揮できる人材の育成が求められます。
教育/企業において、異なる文化や歴史への理解、リベラルアーツの素養なども含めた、リーダー育成のプログラムが必要です。
グローバル企業では、多様性をマネジメントする上で、早い段階で海外拠点での勤務を経験します。
世界の多様な文化や価値観に触れると共に、若いうちから経営を担うポジションにつくことが重要です。
リカレント教育
未来には、求められるスキル、仕事、雇用形態が、刻々と変化するでしょう。
人生100年時代の未来では、教育・仕事・老後といった単線型キャリアパスではなく、仕事と教育を行き来しながら、さまざまな場所で、さまざまな活動を行うマルチステージ化が進むでしょう。
こうした変化に対応するために、子ども・大人問わず、あらゆる人々が、能動的に学び続け、価値観を更新し続けることが、重要になります。
【小学生】将来必要なスキル・能力は?失敗を恐れず挑戦する習慣を身に付けよう まとめ
定型的な仕事は AIに代替され、AIを駆使し価値を生み出せる人材が求められる時代になっていきます。
未来は、果敢に新しいことに挑戦し、社会の仕組みを一から創り直す人材が求められ、そのような人材が世界をリードしていきます。
こちらの記事では、未来に必要とされるスキル、教育のマインドセットについて、わかりやすくご紹介しました。
日々の子育ての中で、少しでも、意識して取り組んでいくことが、大切だと思います。
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