子どもの非認知能力を高めよう!ってよく聞くけど、
具体的な方法がわからないし、そもそも、非認知能力って何?
非認知能力と聞くと、なんだか難しく聞こえますが、親子のコミュニケーションなど、家庭での日々の積み重ねによって育まれます。
なるほど。家庭で出来る、非認知能力を育てる方法が知りたい!
非認知能力を育てる方法を紹介する前に、非認知能力とは何か、そのメリット、注力すべき時期について、紹介しますね。
非認知能力とは何ですか?
非認知能力とは、学力・偏差値といった数値的に認知可能な能力ではなく、「自制心」や「社会性」、「コミュニケーション能力」、「レジリエンス(回復力)」、「創造力」などの能力のことです。
非認知能力を育てるメリットは何ですか?
英語や算数をはじめとする幼児教育は、効果的と思われてますが、実際は、短期的効果しかありません。むしろ、非認知能力を伸ばすことが、年収や雇用などに長期的効果を及ぼすことがわかっています。
非認知能力が育つ時期はいつですか?
非認知能力が最も伸びるのは、0~10歳迄で、家庭内コミュニケーションなど、日々の積み重ねによって育まれます。
では、非認知能力を育てる具体的な5つの方法について、くわしく紹介しますね。
非認知能力を育てる方法① ルールをつくり子ども自身に守らせよう
非認知能力を育てる方法、1つ目は、家族でルールをつくり、子ども自身で守らせることです。これにより、子どもの自己肯定力や達成感、自制心、自主性が育まれます。
ルールを決める話し合いに、子どもを参加させ、主導して決めさせることが重要です!
例えば、下記の <例>我が家のルール のような、ルールを子どもと一緒に決めるといいでしょう。
次に、つくったルールを子ども自身で守らせましょう!
日々のルーティン作業を見える化し、子ども自身に管理させることが重要です!例えば、我が家では、100円均一のホワイトボードを活用しています、おすすめです。
<例>我が家のルール
家族目標 | Do ルール | Don’t ルール | ルールを破った時 |
・家族仲良く ・互いを尊敬 ・助け合う ・心身ともに健康に ・役に立つ人に ・いつも笑顔 ・正直に | ・必ず挨拶 ・夕食は一緒に ・学校準備は自分で ・お手伝いをする ・食事の用意を手伝う ・ありがとうを伝える ・玩具は交代 ・共有スペースを汚したら片づける | ・ケンカしない ・決められた時間以上にゲームをしない ・家族/友達を傷つけることを言わない ・嘘はつかない ・乱暴な言葉は使わない ・夜更かししない | ・タイムアウト(自室で反省) ・一日好きな玩具を諦める ・ゲームを一日禁止 ・就寝時間を早くする ・間違いを認めてやり直す ・スマホ/ipadを一日禁止 |
<例>ルーティンの見える化 / セルフ管理
非認知能力を育てる方法② 子どもと対話する意識を持つ
非認知能力を育てる方法、2つ目は、子どもとの対話です。
具体的に4つの対話法を、くわしく紹介します。
対話法① 脳の成長を促す
幼児期に聞く言葉の数が多いほど、脳の発達を促すという研究結果があります。
言葉を理解していない時期から、声をかけながら遊ぶことや、本を読み聞かせることは、脳の発達に非常に大切です。
また、子どもが良くないことをした時、大声で𠮟るのではなく、やってはいけないことを丁寧に教えるなど、親が子どもと対話する意識を持つことが大切です。
対話法② 自己肯定感を高める
「ダメ」、「やめなさい」などの否定的な言葉かけは、子どもの自己肯定感を下げ、自発的にやろうとする気持ちを低下させます。
否定ではなく、肯定的な言葉かけを意識しましょう。
成長期の子どもに必要なことは、子ども自身を尊重することです。
子どもの話をよく聞き、問題が起きたら、子どもと一緒にどうしたらいいか話し合うことが大切です。
子どもを褒める時は、子どもの持つ資質や結果ではなく、むしろ、そこに至ったプロセス/努力を褒める方が、子どものやる気を引き出すことができます。
資質や成果を褒められると、子どもは、難しい問題に挑戦し失敗することが怖くなり、挑戦するモチベーションをなくします。
反対に、自分が取り組んだ、プロセス/努力を褒められると、挑戦すること自体が楽しくなり、ますます成長するでしょう。
対話法③ 自制心を高める
親が子どもに、何かをさせようとしたり、操ろうとしたりしてはいけません。
親は子どもに対して、命令・指示をやめ、子どもの意見を聞くことが大切です。
「次はどうするか」、「なぜそう思うのか」を問いかけ、子どもに話をさせることで、子どもは感情的な判断から離れ、質問に対し論理的な結論を導くことができます。
子どもは大人から意見を求められると、それだけで自分の存在意義を感じ、自己肯定感にもつながります。
対話法④ 自己表現力を高める
自分の「意見・考え」を人前で話すには、 「表現できる」という自信が必要です。
自信をつけるためには、親が子どもの話を遮ったり、正しいか / 正しくないか を判断したり、親の意見を押しつけないことが大切です。
子どもの意見に、よく耳を傾けることから、子どもの自信は生まれます。
「今日一日の出来事」、「一番楽しかったこと」など、テーマを決め、子どもに自分の考えを話してもらうといいでしょう。
子どもがうまく話せない時は、親が質問をしながら、話の続きを促したり、子どもが乗り気でなければ、親の方が話すなど、徐々に子どもが人前で話すことに慣れる環境をつくることが大切です。
非認知能力を育てる方法③ 遊びは絶好の学習機会
非認知能力を育てる方法、3つ目は、子どもとの「遊び」です。
モンタナ州立大学の研究によれば、子どもの脳の75%は生まれた後に成長するとのことです。
その成長を助けるのが 「遊び」です。
子どもは、何かに興味や関心を持っている時、楽しく遊んでいる時、大きな集中力を発揮します。
「遊び」 を通して、子どもは、問題解決能力、やり遂げる実行力、周囲と力を合わせる協働力、失敗から学ぶレジリエンス(回復力)などの 非認知能力を身に付けていきます。
親は、子どもとの 「遊び」 時間を多く確保することが大切です。
非認知能力を育てる方法④ 他人と比べない 自己肯定感を高める
非認知能力を育てる方法、4つ目は、自己肯定感です。
自己肯定感とは、 「自分には生きる価値がある」と、良い部分も悪い部分も含め、自分を肯定できるという気持ちのことです。
自己肯定感が高ければ、様々な事に対して、自分から前向きに取り組んでいくことができますが、自己肯定感低ければ、前向きに取り組めないどころか、やろうとする気力も低くなります。
自己肯定感は、6歳迄に形成されるため、親の子どもに対する接し方が大切です。
家庭内の会話が少ない、他人と比べる、人前で自分の子どもが褒められると否定する、こういった家庭では、子どもの自己肯定感は育ちにくくなります。
自己肯定感を育てる10の方法について、わかりやすく紹介します。
自己肯定感を育てる 10の方法
項目 | 具体内容 |
---|---|
①声かけ | 声かけを日常的にすることで、子どもに ”自分は愛されている” という実感を持たせる。 |
②聞く | 子どもが話している時、一方通行にせず、目を見て真剣に聞くことで、自己肯定感が芽生える。 スマホをいじりながら聞くと、子どもは自分の存在は大切ではないと感じる。 |
③感謝 | 子どもが良いことをしたら、 “ありがとう” 、”助かった” と感謝の言葉を伝える。 子どもは親の感謝で人の役に立っていると感じ、自分の存在意義を持てる。 |
④褒める | 褒めることで、子どもは “自分の存在が認められている” という実感が湧く。 頑張った自分の存在を認めてくれる人がいるという安心感が心の支えになり、失敗を乗り越えて、次の挑戦に向かう自信を持つことができる。 |
⑤比べない | 自己肯定感は、人との比較で伸びるものではない。 クラスで1番だからと褒めていたら、5番に下がれば、その子は自分の存在価値を感じることができなくなり、自身が揺らいでしまう。 自分と他人を比べるのではなく、昨日の自分と今日の自分とを比べることが大切。 |
⑥短所より長所 | アメリカでは、誰にでも苦手なことがあるのは当然で、そこを無理に直すよりも、むしろ得意なことを伸ばす方がいいという考え方が主流。 子どものうちから、”あなたにはこんなに良い面がある” “こういう部分が素晴らしい”と親が積極的に認めることで、子どもの自己肯定感を育むことが大切。 |
⑦決断 | 日々の小さなことを子どもに決めさせると、子どもに自信が付き、自己肯定感の向上、やり抜く力が育まれる。 子どもがくじけそうになった時は、どうしてその選択肢を選んだのかを思い出させて、そうすることで、どんな結果にたどり着くのか、どんな気持ちになるのかを思い出させて、自らの意思で自分の選択をまっとうできるように導くことが大切。 |
⑧選択肢 | 自分で選ぶことは、自主性や想像力、好奇心、自信など、さまざま力を育む。小学生に上がる頃までは、3つ程度の選択肢を与えるのが最適。 |
⑨手本 | 子どもは発達段階のため、できないことが多いが、靴紐やボタンなど、やってあげるのではなく、手本を見せたり、手を取って導いてあげることが大切。 やってあげた方が効率的だが、自分で答えを見つけたという喜びが非認知能力を育む。 そして、それがどんなに下手な出来だったとしても、親がやり直さないようにする。 やり直せば、子どもの自尊心は傷ついてしまう。子どものその間違いは本当に重大なことだろうか。そうでなければ放っておく。 そのうち自分で間違いを発見し、その時こそ非認知能力が育つ。 |
⑩認める | その子にとって大切なことが、親の価値観や世界観と合わなくとも、子どもをありのまま認め、応援する。これは、子どもの自己肯定感を育む上で一番大切 |
親自身が自己肯定感を高める
子どもは親を手本とするため、親自身が自己肯定感を高めることが大切です。
自己肯定感を高め、周りからのストレスを軽減し、どんなときにも、自分にとって幸せを感じられる環境を選びましょう。
自分のテンションを下げる、ネガティブな人や言葉とは、可能な限り距離を取り、ポジティブな人を周りに増やす、楽観的で前向きな人と触れ合うよう、心がけましょう。
非認知能力を育てる方法⑤ 子どもの好きを見つける
非認知能力を伸ばす方法、5つ目は、子どもの好きを見つけることです。
自分らしい幸せな人生は自分で戦い、勝ち取らないといけません。
そのための武器が、非認知能力です。
そして、その非認知能力を育む入り口となるのが “好き” です。
好きだから自分からやる、好きだから諦めない、好きだからより良い方法を考え出す、好きだから続ける、好きなことをしているから自己肯定感、自尊心、自信が高まります。
自分を大切にできるから、他人に対して共感力や協働力を発揮することができるのです。
好きを探し支える 6の方法
項目 | 具体内容 |
---|---|
①挑戦 | 様々な経験をさせ、何に興味を持ち、どんな時に頑張るか、悔しがるか、壁をどう乗り越えていくか、よく観察する |
②機会 | バックグラウンドの異なる人と接することで、子どもの世界が広がる |
③集中 | 周囲の音が聞こえないくらい極度に集中している状態を「フロー状態」という。こうした状態のときは、子どもがそこにパッションを感じている |
④探す | 好きなことは、ある日突然、天から降ってくるものではない、探さなければ、見つからない |
⑤ルール | 見つかるまで探し続けるには、様々なことをはじめなければならない。そのためにはやめることも必要。気に入らないとすぐにやめる子にしないため、達成感を子どもに味わわせるためにも、3カ月程度の期間を決めてから、新しいことをはじめる |
⑥目的 | 子どもに常に「何のために、それをやるのか」を考えさせることで、「いつかはこういうことをしたいから、今はこれとこれを頑張りたい」というように、単なる夢だけではなく、大きなビジョンをともなった夢を語ることができるようになる。大きなビジョンが見えたとき、人ははじめてやりがいや生きがいを感じることができる |
非認知能力を育てる5つの方法 学力だけじゃない! 幸せで自信のある子供を育てる秘訣 まとめ
非認知能力とは、学力・偏差値といった数値的に認知可能な能力ではなく、「自制心」や「社会性」、「コミュニケーション能力」、「レジリエンス(回復力)」、「創造力」などの能力のことです。
こちらの記事では、非認知能力とは何か、そのメリット、注力すべき時期、非認知能力を伸ばす具体的な5つの方法について、くわしく紹介しました。
子どもの非認知能力は、家庭内コミュニケーションなど、日々の積み重ねによって育まれます。
日々の子育てで、少しでも意識的に取り組んでいきましょう。
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